続いて、Lausselの浮き彫りに表された像、通称、Venus of Lausselは、旧石器時代の異なる人種の一つを、そのまま、素直に、しかも完璧に表現したものであると指摘している。
下の右の写真は、1914年にLouis Marcareによって作られた、Venus of Lasselの先史時代の像を、Aime Rutotに似せて作られたものである。下左の浮き彫りは、勿論、Venus
of Lausselと通称されるもの。
下の写真は、1923年に建てられたパリのInstitute de Paleontologie Humaineの正面のファサードの天井のすぐ下の壁、フリーズの浮き彫りで、Breuilの監修の元に造られたものである。ここには、アフリカ人のSan man,ブッシュマン?がVenus
of Lausselの浮き彫りを彫刻している様子が飾られている。
Karel Absolonは、多くの小像を検討した結果、「性愛と飢餓は、マンモスの狩猟者でありそして、これらの像の製作者であった人たちの精神生活に影響を与える、二つの動機である」と主張した。彼は、小像は、人々が性欲を覚えたときに使うためのものとして作られたもので、結果的に、「擬似的なポルノの氾濫」となったと解釈する。
Carl Reinachは、小像を多産・繁殖の儀式や典礼に使用される道具であるという解釈を取り入れた。彼は、小像が人間社会やそれを取り巻く自然の繁殖力を高めるために使われたとしたわけである。
彼は、又、小像が、より多くの女性が懐妊させるための儀式として、共感呪術に使用されたと示唆している。多くの小像が妊娠した女性像であることから、この説は一般に受け入れられ、今なお、一つの解釈となっている。