おお!  何故に我を見捨てたまう!

NHKの世界の教育番組なるプログラムで放映されたBBCの「無神論」についての番組。

信教の自由を定めながら、一方では厳然と国教が定められ、且つ、アンケート調査で、35%以上が「神の存在を信じる」
国。この英国で、無神論を肯定する教育番組が公共放送で製作放映される。
こういう教育番組を放映せざるをえないという、どういう背景、社会状況があるのだろうか。
然し、堂々と放映できる社会環境については、これは一目置くべきなんだろう。

何処の国でも、宗教を云々すること、特に「神」についての正面切った議論は、避けて通りたがる。
特に、あの米国だったら、メジャーがこういう番組を製作放映することは絶対できないだろう。

さて、ブッシュは、再選を成功に導く為に、ついに、宗教的極右派の取り込みという禁断の領域にまで入り込まざるをえ
なかった。これだけでも、自分の利益の為に手段を選ばなかった大統領として記憶されるといわれている。

米国においては、「あなたは自分を宗教右派(Religious Right)のメンバーだと思いますか?」という質問に18%の人が
「Yes」。

さて、この宗教的極右派。
既成の価値観に反対する「カウンターカルチャー」に対抗して、1980年前後から始まった伝統的価値観側からの反撃。
それが、「宗教右派」の運動。

その中で、極右派の目立った信条は、下記の様なことではないかと云われている。

 *公教育の場において進化論を批判し、公立学校での祈祷(の時間)を復活させる。

 * 男女同権の否定(同性愛者が夫婦になることを防ぐ為だそうだが)。

 * 「アメリカ至上主義」。
    アメリカ=神の側、神意を実現する国、恒に正しい。
    アメリカに楯突く国は、すべて悪(サタン)、これは排除する。これは、神の意思である。

中でも、この「アメリカ至上主義」は、ブッシュの恐るべき言動の元になっている?

アフガニスタン侵略、イラク侵略、疑わしきものは、すべて、罰する。これは、正義の鉄槌である。北朝鮮、イラン、イラク
を名指しする「悪の枢軸 (axis of evil)」発言(2002年1月29日の一般教書演説)。俺が言うことはすべて正しいのだ。

ひらひらと手をふりて笑ふ大統領。そのひと振りに、人多く死す  岡野弘彦歌集

そして、是に平然と加担した小泉純一郎。
世紀の悪法、全世界をコケにした、米国の2002年、国家安全保障戦略をブッシュが出してしまったから、小泉も、万や
む終えずしたがったのだと思っていたが、最近の言動では、このブッシュの悪法を弱肉強食社会である以上、当然のこ
とと受け止めているようだ?
すべてを、弱肉強食でかたずけるやからに天罰がくだらないものか。駄目だよね。

さて、今回の中間選挙の大敗北でブッシュはどうするのかな。

ブッシュは、如何にもテキサンらしい動物的な勘と変わり身の早さだけの男といわれているようだ。今回の敗北で、すぐさ
ま、全世界の嫌われ者ドナルド・H・ラムズフェルドの首を切った。
戦争を行っている指揮官の首を挿げ替える異例の処置。イラク侵略の失敗を導いた、この男を切り捨てたアクション、こ
れで終わりとするのだろうか。

* 轟然たるラムズフェルド              トカゲの尻尾切り作業       

ただ、ラムズフェルドは、自分が悪いことをしたとは,これっぽっちも、思っていない?
もっと、大きな悪の単なる傀儡だから?
傀儡だとしても、今にも角が生えてきそうな、哀れな悪魔顔。そして、ブッシュの馬鹿ずら。

「真に悪なるものとは? 人格全体が闇に向かい、意思も個性も棄て、悪をおこなって生きているもの。こうしたものたち
は、外面的には魅力があり、カリスマ性さえ備え、しばしば、良きことをおこなっているように思える。しかし、彼らの影響
は、限りなく有害で、ヒットラーやスターリンのように、巨大な権力のある地位に着くと、大地の土台を揺るがすことさえ出
来る。」J・B・ラッセル

「神は自分にかたどって人間を創造された」 −「創世記」一の二七

神の性情は、人間と同一。
そして、キリスト教の神も、ユダヤ教の神と同じ。神の本質は、変わっていない。
自分の意にそぐわぬことがあれば、過酷に罰する。即ち、滅ぼしつくす。

神が造った人間、その性情も神と同一。

小泉純一郎を選ぶことによって、我々も、この悪行に加担したのだ。
何も出来ないけれど、せめて、こういう写真から、目をそらすな。

「砂あらし、地を削りてすさぶ野に、爆死せし子を抱きて立つ母」  岡野弘彦歌集

花鳥風月、詠みたきものと願えども、脳裏を去らぬ死人の顔

民主主義が、自由主義が、すべて悪いものだろうか。一神教であるがゆえに、排他性という根幹的な大欠陥を持ってい
るものの、キリスト教が、ユダヤ教が、すべて悪いものなのだろうか。

自分の信ずる理想、イデオロギー、思想、宗教が、絶対無二の正しいものとして、全ての人間を一括して統制し
ようとする行為が、類型的な同一性の中に同化しようとする行為が、そして、「より大きな悪を倒す為なら、小さな悪行は
許される」との歪んだ思念が、今、現在、この世界で行われている悪の原因。そしてそれは、生物である人間の抜きがた
い物性。

おこがましくも自分がリーダーだとし、その地位を必死に守ろうとする政治家と称するやから。そして、その行為を精密に
実現するシステムを嬉々として造る官僚ども、そして人殺しの道具の開発に血道を上げるやつら。

「ずっと前から、そして今も、人々は政治家のために殺されている」 クリント・イーストウッド

20世紀に荒れ狂った全体主義が、21世紀になっても依然として、より強烈に、暴れまわっている。

それにしても、ブッシュは対アフガン戦争を「新たな十字軍の戦いだ」と言い放ってしまう。
世界を牛耳っている米国の大統領ともあろうものが、何と無教養な、何と無神経な!
十字軍は、キリスト教団、キリスト教国が行った数々の悪行の中でも、最大の汚点だと言うのに。
こういう最低最悪の文化の国が、あぶく金の力だけで、世界を思うがままにするとは。

Do not stand at my grave and weep

我に、墓はない
我は、お前の後ろにいる
我は、千の風、果ても無く吹きすさび、全てを吹き倒さん
我は、雪、果ても無く降り積もり、全てを押しつぶさん
我は、雨、果ても無く降りつずき、、全てを押し流さん
我は、全てを枯らす荒れ野
我は、荒涼たる夜明け
我は、崩れ、襲いかかる波濤
我は、いたずらに飛ぶ狂鳥
我は、ひたすら凍れる暗黒の星
我は、狂い咲く腐れ花
我は、ものみな絶えた沈黙の部屋
我は、泣き叫ぶ鳥
そして、我は、全ての愛らしきものの裏面にある
我に、墓はない
我は、お前の後ろにいる、そして、我は、お前だ



歴史が誕生してから、数千年。

一刻たりとも、人が人を殺すことがなかった時はなかった。

人類という種は、結局、数千年を費やしても、大規模殺人行為である戦争さえ、なくすことが出来なかった。全く、進歩と
言うものがない。

あと三百年も経てば、資源は枯渇し、人類という種の生存環境はなくなるのだから、よしとするか。

21世紀は、「やけくそ」の時。

人殺しから何から何まで、自由(放任)主義のアメリカ帝国に任せて置けば、三百年とは言わず、より手早く、破滅させて
くれるだろう。

縄文文化の時代は一万年。

さて、一万年後の地球は?

まさに、「我が墓はない」!

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