水煙 トポロジーの極致!



火焔土器と一線を画す、一方の雄が水煙土器、呪(しゅ)の構造。


火焔のどこか動物的な臭いのする、完成された、然し、時に類型的な造形に対して、水煙のトポロジカルで自由なデザ
インは、まさに超現代的で、一歩上を行くものかもしれない。



中期・藤内遺跡・井戸尻考古館・切手の水煙


この水煙を、アントニ・ガウディ・イ・コルネットが見たら、筆を折ったかもしれないね。


もっとも、これぞ水煙と区分されるものは、あまり数が出ていないようだが、これも、このタイプのデザインの難しさが原因
かもしれない。





渦巻き、巻き込みながら、究極へ連続してゆくもの。
そして、全てが、一つに収斂する。
これぞ、トポロジーといわずして。

* 上の写真の一部は、文様を見やすくするために加工してある。実物には、この様な色はついていない。


こういうものは、どんなに上手くとっても、写真では駄目(中でも、記録するという本来の目的を忘れた、変に芸術ぶった
商業目的の写真は、最悪、最低)。
こればっかりは、どうしても実物を見なけりゃ、その力は感じられない。

水煙土器の名品は、釈迦堂遺跡博物館山梨県立考古博物館須玉町歴史資料館に常設展示されている。何れ
も素晴らしい逸品なので、ぜひ御覧ありたし。

この中で、須玉町歴史資料館は、目玉の品の素直な展示方法が素晴らしい。

釈迦堂、山梨県立、共に、肝心の目玉としているものの展示方法、特に照明方法が良くない。監視員をつけられない以
上、ガラス箱の保護は必要なんだろうが、ガラスへの写りこみを防ぎ、且つ、余計な陰影の出ない均一な明るい照明が
必要。金を取って見せる以上は、その責任がある。



水煙として、完成されたデザインのもののほかにも、色々な試行がされているようだ。それはそれで、又、魅力あるものも
存在する。
あのバークコレクションの縄文土器は、火焔なのであろうか、それとも。






そしてこれは?



中期後葉・The Metropolitan Museum of Art
Deep bowl with sculptural rim, late Middle Jomon period (ca. 2500-1500 B.C.), ca. 1500 B.C. Japan
Earthenware; H. 13 in. (33 cm)


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