I beg your pardon?



一流商社の人と旅をした。柔道5段、身長185cm、体重120kg、営業でありながら、むちゃくちゃな英語を使う。何しろ、
coffeeを「KO-HI-」と発音するから、絶対に通じない。すると、「こいつらは馬鹿だから」というのが口癖。
ある朝、英国のホテルで朝飯に降りていくと真っ赤になって怒っている。そばで給仕が真っ青な顔をして震えている。
「こいつは、俺を馬鹿にしている。許せねー」
要するに、彼はパンがほしいので、「パン」といった。給仕は、当然わからないので「Parn?」(I beg your pardon?)と聞き
返す。「パン」―「パン」のやり取りでぶち切れてしまったのだ。
でもこの人はすぐに修復する。一日後には、震えていた給仕が「あの人はほんとに良い人だ」と言っていた。どうやった
んだろうか?

勿論、「I beg your pardon?」とはっきり発声すると、「なんですって!」と怒声を発したと間違われることがある。「ちょっ
と、邪魔だ。どいてよ!」の時も同じ。

「ある日コーヒーショップにて。いつもと雰囲気を変えて今日は「エスプレッソ」にしようと思ったのがいけなかった。何を勘
違いしたか、口をついて出てきた言葉は「エクスプレッソ」。いくら急いでいたとはいえ・・・(^_^; )」と反省していた人がいた
が、これはあながち、間違いじゃない。元々、「エスプレッソ」は、expressが、語源だという説もあり、フランス料理屋では、
現に「エクスプレス」と言わないと通じないこともあるのだから。



歌の世界で、頭が下がるのがFrank Sinatra。どんな歌でも、はっきり正確に発音する。語尾のSも絶対に抜かさない。
Bingは大歌手だが、発音はいい加減。ちゃんとした発声を習っていて、地声での声量が無い人は、とかくこうなる。



でも、発音が難しいのは、タイ語。

タイ語は、「声明」の世界で、音の高さでも単語が違う。例えば、タイ人は、「クン・タイ」だが、下手に「クン・タイ」と言うと、
死人の意味になってしまう.えびも日本語で書くと「クン」だよね。こっちは、[クン]の発声が違う。
「ナム・プラー」は、ナムは水、プラーは魚で、「魚の水」だからタイの醤油。即ち、ベトナムのニョクマム、魚醤。こいつに
プリック、青い唐辛子を刻んで混ぜたものが、つけ醤油で「ナム・プラー・プリック」になる。ある時期、これを頼むと必ず、
お冷やを持ってこられた。氷は「ナムケン」、飲料水は「ナ―ム・ジェイ」とちがう感じになる。普通は、「ナーム」が強くなる
から、ほんのちょっとした違いで「ナーム・ジェイ」に間違われているとタイの人に言われた。
ランプータンは、タイ語では、ンゴとしか書けない発音をするが、この発音がどうしても出来なかった。色々言い方を変え
てみたが違うという。タイ語は自体は、比較的易しいと思うのだが、結局、発音であきらめてしまった。
タイ語には、女言葉と男言葉がある。一番、有名なのが、「はい」という意味でもある「カップ」で、女言葉は、「カー」。大
体皆、バーで女の子に習っているので、日本の商社マンは、最初は、女言葉に成るのはしかたがない。



それにしても、大半の日本人はどうして、こうも、外国語の習得が下手なんだろうか、日本人種の頭の構造が語学向きで
はないとしか思えないといったら、「それは、オジイチャンたちの年代よ」と若いやつに馬鹿にされた。
でもね、一番目立つのが、外国育ちの日本人の日本語の拙さ加減。やはりどっかおかしい。

それに、若いやつだって、たかが英語がちょっとしゃべれるだけというのが大半じゃないか。少なくとも、三、四ヶ国語がし
ゃべれてから威張って欲しいもんだよ。

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