Anasaziアナサジの岩絵にもあるKokopelli ココペリは、必ず大きな縦笛を吹いている。
ココペリは、大地、狩猟、豊穣、多産の神。
春が来ると、笛を吹きながら現れる。すると、
地面から緑が吹き出し、花が咲き乱れ、木々は生い繁り、 花粉は風に舞い飛び、 動物たちは、次々と子供を産み落とす。
雪を溶かし、春を呼んでくれる神。
さて、笛だから、何らかのメロディがあるはずだ。ココベリは、どんな曲を、どんなメロディを吹いていたんだろうか。
今まで,、生で聞いたネイティブアメリカンの音楽にはあまりメロディがなく、使っている楽器もタイコのような楽器がほとん
どだった。トニー・ヒラーマンのジム・チー巡査は、ナバホの「歌い手」になろうとしている。歌い手といっても呪術師なのだ から、これも詠唱で、「歌」といえる類のものではなかろう。
然し、インターネットで検索するとNative American Fluteのサイトが沢山、出てくる。
笛は、要するに縦笛、リコーダー。
ココベリが吹いているのもこれに似た、より原始的なもんなんだろう。
商業化されたインディアン・フルートのCD、例えば、R..Carlos NakaiやRobert Tree Codyなどでは、素晴らしい演奏が
聞ける。Kevin Lockeのものもなかなかだが、ビブラートが多い分、違和感がある。中では、Tom Mauchahtyが素朴な響 きを聞かせる。 白人の移住者が、彼らに農耕を教えようとしたとき、 彼らは、大地を耕すことは、即ち、大地母神を傷つけることである。 そんなことが出来ようか、やがて、全てを失うことになる。 そんな恐ろしい行為はとても出来ないと、拒否された。
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