タイ・仏教国


枕草子や徒然草で、僧侶がくそみそにそしられているように、どうも、日本の仏教は、どこかでひん曲がって仕舞ったよ
うな気がする。まあ、釈迦の時代から戒律が確立されていたわけじゃないけれど、戒律を全廃したような日本の仏教は、
もう、仏教とはいえないものだとする人も居る。


私は、仏教には全く関心が無かったが、タイで仕事をするとそうも言っていられないような気になった。
何しろ、タイ人の95%が仏教徒だというし、ちゃんとした寺院が3万寺くらいあるとのことだし、憲法で国王は仏教徒であ
ると決まっているそうだし、朝早くから黄色い衣の坊さん達が托鉢に廻っているし、地鎮祭でも開業式でも坊さん来てもら
わないと収まらないのだからね。
合掌しての挨拶だって、最初は、なんとなく戸惑うもんだ(バーだって合掌される)。
タイのすべての僧侶が尊敬すべき存在かといえば、そんなことはないだろう。
然し、少なくとも出会った坊さん達は、皆、ちゃんと戒律を守って、厳格な修行していたように見えた。


タイでびっくりしたのが、「一時僧制度」。
20歳を過ぎた五体満足な男子が、一時期に剃髪(当然、眉毛もすり落とす)して、黄衣をまとって僧院生活を送る、古く
からのタイの伝統的な慣行。
一時僧は、7月のカオ・パンサーまえから10月のオク・パンサーの間、きびしいパンサーの修行をするのがもっとも望まし
いとのことで、100日の有給休暇をとって寺入りする人も居る。
ラヨーンでは、カオ・パンサー入りの前に、若者達が軽トラに幟を立てて、お寺に向かって疾走してゆくのが見られる。一
時僧制度といっても、僧侶に区別は無く、すべて、試験のような儀式があるということで、「お経は覚えなくちゃならない
し、その準備は大変、その上結構費用が掛かる」といっていた。お経は、普通のタイ語ではないので難しいらしい。

開業式の時に、台の上に並んだ坊さんに、ワイ(合掌して、深くお辞儀する)をし、サイ・バート(お供物、この場合は、食
事をささげる)した。これが、最初で最後。
この時、お返しに、もらったプラルクアン。有名な坊さんのもので、ちゃんとご祈祷がされているから、貴重なものだと聞か
された。普通は、右のように金のフレームに入れてお守りにする。
プラルクアンは、タイでは収集の対象で、中には数千万円する骨董品もあるそうだ。





ところで、皆さんは、「ピー」というのをご存知かな。

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