テキサス "Houston Symphony"



ニューヨーク、シカゴ、クリーブランド、ロサンジェルスなんかのアメリカを代表する交響楽団と比べれば有名じゃないけ
れど南部のテキサスの交響楽団だって結構イケるのだよ。何しろ、テキサスはアメリカの大英雄、バン・クライバーンの出
身地(と言ってもいいのだし)。それに金はあるしね。
テキサスには交響楽団が多いけれど、矢張り、ヒューストンシンホニーが一番。ダウンタウンのジョーンズ・ホールが本拠
地で、私の居た時の音楽監督はクリストフ・エッシェンバッハ、すでにヒューストンの響きを作っていた。

余談だけれど、有名オケは、これはウイーン、これはシカゴ、これはコンセルトヘボウとすぐにわかる音をもっているもの
だけれど、日本には「あるときはXX,あるときはYY,またあるときはZZ」、怪人二十面相のような超有名オケがあるね。


兎に角、ヒューストン・シンフォニーの公演は、いつも満席に近い盛況。




ここで、思いもかけず、御贔屓のアンドレ・ワッツのGパンのラフマニノフを聞いたことがある。このときは、ヒューストンの
贔屓筋にたんまりもらったと見えて、アンドレ、ご機嫌の絶好調だった。彼は、こういうJAZZぽいのりで弾かせたら、もう誰
にも負けない。矢張り血がものをいうのだろうか。



まあ、音を出すものは、全て間の芸術なんだろう。間が悪かったらどうにもならない。
ピアノソロなんて、間の取り方次第なんだろうが、交響曲でもそうだ。
例えば、ハイドン。今まで、ご多分に漏れず、私もハイドンは苦手だった。名指揮者が一流オケを振ったものを聞いて、
なんて、重たい、鈍重な曲だろうと敬遠していた。
これが全く違うんだね。

Period instrumentsを使った、所謂、古楽器派の演奏を聴いて、びっくりした。なんとハイドンは、間の取り方次第で、軽
快で、明るく、さわやかな、楽しいものになる。テイト、ガディナー、ホグウッド、ピノック、何れもすばらしい。
中でも、マッケラスは、古楽器オーケストラを使わないで、なんともすばらしいハイドンを提供してくれる。こうなると、古楽
器を使うとか、ビブラートを効かせないとか、オーケストラの構成が往事と同じ等という単純なことではない。指揮者という
ものが如何に大切か、楽曲の解釈が如何に重要かということになる。有名指揮者連中が「スコアに忠実な演奏」だといっ
ていたけれど、あれは何なんだったんだろうかね。


さて、ハイドンが素晴しいとなると次のモーツアルトは?。ここでようやく悟ったのだけれど、モーツアルトは所詮、中途半
端だったんだ。私の中では、ハイドンとベートベンの狭間で、どっちつかずの流行作家になってしまった。
それに、さすがの古楽器派もロマン派は料理できないようだ。軒並み討ち死にしている。矢張りベートヴェンによって、音
楽の格が一段上がったのかな。

トップへ
トップへ
戻る
戻る




1 inserted by FC2 system