テキサス "Janis Joplin"


ジャニス・ジョップリン、伝説のロック・クイーン、27歳で亡くなった。

Port Arthur ポート・アーサー、ジャニスが生まれ・育った町。
先ず下の地図をごらん。テキサス州の大都市、ヒューストンから、IS10(アイテン)を真東に延々3時間も走ると、ルイジアナ
との州境の町、ポートアーサーに至る。砂漠じゃないのが取り柄だが途中は面白いものは何もない田舎道だ。



ポート・アーサーは、今じゃ、リファイナリーが集中している地帯。

ここがハリケーンにやられると石油の価格が上がる。

1890年頃にTX油田開発に火がつき、ついにPort Nechesとの間、車で、15分くらいのところでSpindletop油田が発見さ
れると田舎町ポート・アーサーの運命ががらっと変わった。第一次石油ブームの始まり。しばらくは世界の主要な石油基
地の一つとして工業的発展を重ねることになるが、所詮、装置産業だったので、ポートアーサーの商業的な発展は無か
った。
さらに、第二次世界大戦直後に中東石油が発見されるとブームは完全に去り、元の静かな田舎町に戻った。

なんとなく、つつましいPort ArthurのOfficial Web Siteを開いてごらん。市のセレブリティのトップが、rock legendのジャ
ニス・ジョップリンで、1月のジャニスの誕生記念祭が市のカレンダーに乗っていた。彼女のほかには数人の名前しか挙
がっていない小さな田舎町なのさ。

ジャニスの歌を初めて聴いたとき、ウエストコースとのロックだとばかり思っていたので、あれっと首をかしげた。そのあと
調べたら、テキサス育ちのブルース・カントリー歌手だったというじゃない。これで大納得したね。
あの柔らかく素直な地声じゃとてもブルースは歌えない、カントリー・ウエスタンはルックスが良くなきゃ駄目、ゴスペルは
所詮、白人のものじゃない、ルイジアナにいったって金にならんということで、ついに南部を飛び出した。テキサスで身に
付いたものをWest coastに持ち込んでみた。ロックだって言ったって、発声はビリー・ホリデイだし、時にはゴスペルに変
わっちゃう。こいつが当たったんだね。ニューオリーンズだったら、ブルース上がりののロック歌手なんて珍しくも無いけ
れど。

写真を見たら、どこから見ても、そばかす一杯の素朴なテキサス娘だから、可哀想に、あっという間に悪徳のロスに飲み
込まれてしまったが、まあ、あの無理に作った声じゃ、長くは持たなかったかもしれない。



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