縄文の世界 福島の縄文 (3) いわき・いわしろの火炎


陸奥の国の南端、福島県、いわき・いわしろ。

阿武隈川と阿賀川(阿賀野川)の流域。


猪苗代湖を持つ阿賀野川は、奥羽山脈の間を横切り、日本海に至る。

そして、河口は、新潟県の火炎街道を持つ信濃川と近接する。





この地域でも、新潟・秋田の火炎・王冠タイプの土器類が出土する。

とはいえ、火炎街道は、信濃川の流域。
信濃川と阿賀野川は近接して日本海に河口を持つもののこの間には、山塊が存在する。

いわき・いわしろから、火炎街道には、阿賀野川を下り信濃川をさかのぼる経路以外は、山越えの旅になる。
縄文時代にも、頻繁な交流は行われなかったのであろう。

従って、福島の火炎は、ルーツを同じにするものの、独自の変化を遂げた。



先ず、石生前遺跡出土のもの、比較的、長野の火炎の面影を残してはいるもの、
うねった縁の火炎や鶏冠把手の造形に独自の色がある。


福島県河沼郡柳津町・石生前遺跡−26.5cmH




西会津郡・寺前遺跡出土のもの。上縁のデザインは、長野の火炎に酷似するが、
持ち込まれたものにしては、石生前と類似した独自の胴のデザイン。

両遺跡とも、「あいず」に所在。

  

西会津郡田島町・寺前遺跡




そして、最早、火炎街道と一線を画す造形となったものたち。


この二つには、未だ、火炎縁が残っているが、

    
  岩瀬郡天栄村・桑名邸遺跡                        郡山市・野中遺跡

両遺跡とも、「中通り」に所属。


そして、独自の発展を遂げ、火炎縁を取り去った。

  
     耶麻郡西会津町・小屋田遺跡                   磐梯町-猪苗代町・法正尻遺跡



     磐梯町・法正尻遺跡 

上、4個は、「あいず」より出土




そして、このものたちは何処に行くのであろうか。

石生前遺跡出土のものは、王冠へ?

じゃ、天光遺跡出土のものは、何処へ?



河沼郡柳津町・石生前遺跡    磐梯町・天光遺跡


上、二個は、「あいず」より出土。




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